セヌホ族(セヌフォ族)は、西アフリカのコートジボワール北部からマリ南東部、ブルキナファソ西部にかけて暮らす人々で、アフリカ民族美術の中でも優れた木彫の担い手として知られています。その造形の背景には、男性たちが長い年月をかけて知恵や掟を学ぶ「ポロ」と呼ばれる結社や、女性たちによる占いの結社など、共同体の暮らしと深く結びついた儀礼があります。祖先や精霊との交わりのために用いられた仮面や人物像、儀式で地面を打ち鳴らす「リズム・パウンダー」と呼ばれる像、豊穣の象徴とされるサイチョウ(犀鳥)の彫刻などは、いずれもセヌホ族を代表する造形として名高いものです。
セヌホ族の美術の魅力は、余分なものをそぎ落とした大胆な造形と、使い込まれた木肌が放つ静かな存在感にあります。細長く伸びた手足や幾何学的に整えられた顔立ちは力強くも洗練されており、本来は観賞のためではなく、祈りや儀礼の道具として生まれたものだからこそ宿る、深い精神性を感じさせます。その意味で、日々の暮らしや信仰の中から生まれた美しさは、日本の民藝にも通じるものといえるでしょう。木彫の品をお迎えになる際は、直射日光や急な乾燥・湿気を避け、ひび割れや反りが起こらないよう風通しのよい場所で穏やかに飾ってお楽しみください。

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