インドでは古くから、宝飾品や香辛料、大切な手紙などを納める小箱が、暮らしの中で大切に使われてきました。家具や木工で知られる北部ラジャスタン州のジョードプル、木彫りの町として名高いウッタル・プラデーシュ州のサハランプル、紫檀の象嵌細工が伝わる南部のマイソールなど、インド各地には豊かな木工の伝統があります。職人たちはシーシャム(インドローズウッド)やマンゴーウッドといった木材に、彫刻や真鍮・骨の象嵌、手描きの絵付けなどを施し、土地ごとに個性あふれる装飾ボックスを生み出してきました。アグラの大理石象嵌や、ジャイプールの鮮やかな青の陶器にも見られるように、色と文様で身のまわりを華やかに彩る美意識は、インドの手仕事に脈々と受け継がれています。
今回ご紹介するのは、そうしたインドの装飾ボックスの流れをくむ、ボヘミアン調の装飾タイルを天板にあしらった木製のボックスです。素朴な木の温もりと、色とりどりの文様が描かれたタイルの組み合わせは、どこか異国の空気をまといながらも、和の空間や民藝の器とも不思議となじみます。アクセサリーや鍵、印鑑などの小物入れとして、また棚や玄関に置くインテリアのアクセントとしても楽しめます。お手入れは乾いた柔らかい布での乾拭きを基本とし、水拭きや直射日光、高温多湿の場所は避けてください。木の風合いが長く保たれ、使うほどに愛着の増す道具となるでしょう。

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